校則って「校則」という冊子があるわけではないですよね。どういう形でどこに掲載されているのですか?

各校バラバラです。何らかの文章として記載はされています。でも媒体は様々ですし、名称も「校則」と書いてあったのは1校で、あとは「生徒の心得」とか「〇〇中学校の一日」とか。

 

それが「校則」だと認識していない場合すらありそうですね

製本されて配布される学校もあれば、入学時に手引としてプリント1枚で渡される学校もあります。それだと保護者が気づかず捨てちゃう場合もありますし、おっしゃるように、これが「校則」だと保護者や生徒が認識しているかも不明です。

そうやって集めた校則を調べてみました。最初は男子と女子の服装や髪型の違いなどを調べていたのですが、続々と「変な校則」が見つかりました。

例えば「うちわ・扇子不可」「マフラーは不可」。暑さ寒さを我慢せよということなのでしょうか。それから10校では「下着の色は白」と決まっていました。下着の色をチェックするのは人権侵害ですよ。

 

白い下着って、制服だと却って透けますよね

浜松市では48校中46校が登下校は制服でも、学校に到着したら即座に校内服(体操着)に着替えるという決まりがあります。夏の校内着は白いジャージだから透けないように下着は白という理屈だと思われます。

しかし、終日体操着で過ごさねばならないので、体育の授業があっても着替えられず汗臭いまま一日過ごさなければならないこともあります。だから制汗剤の使用について「制汗剤は無臭のものに限る」という校則がある学校もあるくらいなんです。

 

つまり登下校だけ制服なんですよね。なぜ制服で授業受けてはならないのか理解できません!

「登校したら速やかに着替えること」と校則に書いてあります。ちなみに上着の裾はジャージの中に入れるようにとも書いてあります。

 

多感な時期に、上着の裾をズボンに入れた格好をさせられるとは・・・辛いなあ。

おしゃれとは無縁ですね。髪の毛は耳より上で縛ってはいけないのでポニーテールもダメです。

このように校則の中に、合理性に欠けていたり今の時代に合っていない校則が多く見つかりました。

いま公立の中学校には外国ルーツの生徒もたくさん入学してきますし、何より生徒それぞれの個性や多様性を大事にしてもらいたいと思っています。そうした中で、学校が下着の色や髪型まで指定するのは、生徒たちに無言の同質化・同調圧力をかけることに他なりません。

そこで調査結果をもとに、12月の浜松市議会一般質問でこの件を取り上げ、市に対して多様性の尊重という観点から校則に関する考え方を質しました。

教育長の答弁では、『グローバル化が進む社会の中においては、学校生活に必要な一定のルールやマナーは保持しつつ、多様な価値観を尊重する社会の変化に対応するように、常に見直され、更新されていくべきものである』という認識と『生徒指導主事・主任に対し、多様な価値観を尊重する視点を持てるように研修を行った上で、校則についてより積極的に見直していくことを促していくという』答弁を、また市長からは『自主性や自発性を尊重することは重要である』という答弁を受けました。

 

ほぼ満点回答だった訳ですか?

議会質問が1210日だったのですが、教育委員会はすぐ動いてくれました。全小中学校に校則を時代に合わせて見直す旨の通知を出し、1224日には生徒指導の先生向けの研修会を実施しそこで下着や靴下の色指定などの校則の見直しを促しています。しかし校則の見直しは各学校長が決めることなので、どこまで改善されるかはわかりません。

ただ、本当は「生徒自らが考えたり話し合う機会の提供」まで踏み込みたかったのですが、そこまではできませんでした。

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