【質疑応答/情報共有】

(南雲議員)
ここからは、質疑応答に入ります。飲食店の方が数名、また全国から地方議員が約50名集まっていますので、様々な情報共有ができたらと思います。

 

Q 1日6万円、最大180万円の協力金が出ることにはなったものの、やはりお店の規模によって、その金額で助かる/助からないなどの違いはありますよね?

(飲食店オーナーSさん)
お店の規模によっての違いは大きいと思います。私は多店舗経営をしていますので、この金額を頂いてもかなり苦しいです。ただ、どのくらいの店舗にいくら協力金を出すかの「区切り」について議論し出すと、支援が遅れてしまう。理想論としては、大規模店舗へは多くの支援をと思いますが、時間が優先というのも分かります。後からでもいいので、大きいお店を追加で支援していただけるよう、議論してほしいです。

(高橋さん)
恵比寿は坪単価3~10万円という地代がかかります。家賃が高い分、負担も多い地域。180万円でまかなえるところ・・・あるのだろうか。恵比寿はすでに143店舗が閉店もしくは移転を強いられている状況です。

(飲食店店長Yさん)
今回の協力金の話ではないですが、当店は昨年4月にオープンしたので、持続化給付金や家賃支援給付金が対象外でした。今年も似たような助成金を、議員の皆さまには検討していただきたいと思います。

 

Q 経営面以外での必要な支援策については、どんなものがあるといいと思いますか?

(飲食店オーナーSさん)
デリバリーや業態転換が促進されますが、あるデリバリーサービスの会社には、売り上げの35%に消費税を足して、38.5%の手数料を持っていかれてしまいます。デリバリーサービスの活用にはそういう面もあるということを知ってほしいです。

(目黒区・たぞえ議員より事例紹介)
文京区独自のデリバリー支援策「文京ソコヂカラ」では、区と商店街と民間企業が連携。アルバイトがなくなった人とデリバリーの仕事をつなぎ、しかも手数料は区がもつという仕組みで、良いサイクルになっていると思います。

(小金井市・白井議員より事例紹介)
三鷹市は学生が多く住む街なので、学生に配達してもらっている、「デリバリー三鷹」という取り組みがあります。配達料は市がもつので、店舗もお客さんも手数料がかからない。多摩地域の人は、都心に出勤せず、リモートで地域にいたりするので、相当このニーズはあると思います。この取り組みは評判がいいですね。

(飲食店オーナーSさん)
一つ思いついたのですが、デリバリーが難しい場合には、各店のお弁当を置く場所を作っていただいて、集まったお弁当を売っていただくのはどうでしょうか。

(高橋さん)
行政のリソースをいかに開放するかがキーワードなんじゃないかなと思っています。自分たちの地域にはものすごいスペシャリスト=“アベンジャーズ”がたくさんいる。そういう人たちの英知を集めて、お金だけじゃない支援策を講じていけるのではないでしょうか。もう一つは規制緩和ですね。国交省が緊急措置として、テイクアウトやテラス営業などのための道路占用許可基準の規制緩和を行いましたが、地方自治体が権利を持っていることについて規制緩和をどんどんしてもらえたらと思いますね。役所の職員もみんなオーバーワークですが、役所と住民の真ん中にいるような、ふわっとしたパブリックセクターをつくることが、新しいイノベーションにも、地域の課題解決にもつながるのではないかなと思っています。

(渋谷区・神薗議員)
地方議員が、地域の“アベンジャーズ”をどう組み合わせて支援につなげるのかを考えていく必要があるんじゃないでしょうか。

 

Q 売り上げがあるのに手元資金がなくなるという現象が起きるので、キャッシュレス、チケットやクーポンを使わないお店も多いですよね?

(齊藤さん) はい、お店はキャッシュが一番有難いです。自治体の支援策は、換金までに時間がかかるものが多い。手元に現金があるのが有難いので、支援策を一本化して、入金までの期間をなるべく短くしてほしいです。先ほど話題に出たデリバリーサービスの会社では、38.5%の手数料を払わなければならないけれど、1週間単位で入金があるので有難い部分があります。

 

Q インターネットができるか、自分で情報の受信や発信ができるかなど、コロナ禍での情報格差について、どう思われていますか?

(高橋さん)
もちろんお客さん側のデジタルに強い弱いもありましたが、飲食店側にも、高齢の店主さんが経営しているお店がたくさんあるので、情報発信に困っていた方々がたくさんいました。そういう方々には、「一緒にやりましょう!」とお声掛けして、情報発信のお手伝いをしてきました。

(飲食店オーナーSさん)
情報弱者の話は確かにあると思います。Go To Eatや地域クーポンは、情報を知っている人しか扱えなかった。高齢の方が経営している良い店が救えないと思いました。

 

Q 地方の飲食店の状況はいかがでしょうか?

(奈良県広陵町・ちぎた議員)
町内で閉店した飲食店はあまりないのですが、広陵町はデリバリーサービス会社の範囲外なので、デリバリーのハードルが高くて、インフラをつくるところからやらなければなりません。タクシーも通っていないので、タクシーとも組めない。今のところそれぞれの店舗で補助金を使ってスクーターを購入し、できる範囲でデリバリーするくらいです。なんとか横につないで、みんなで配れる仕組みを作れたらと思いましたが、うまくいっていない状況です。点から面の取り組みへともっていきたいですね。

(袖ケ浦市・根本議員)
袖ケ浦市も大手デリバリーサービス会社の圏外です。ただ、デリバリーしたいというお店は多数ありました。そこで、タクシーにデリバリーをしてもらう取り組み「飲食店応援デリバリーサービス」を実施しました。

【最後に】
(南雲議員)
今日は大変な中、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。約50人の地方議員に、飲食店の状況や思いが直に伝わったと思います。最後に一言お願いします。

(齊藤さん)
今、この1月が飲食店は一番キツイです。みなさん、贔屓にしているお店に顔を出してあげてください。なぜなら、11月は政府のGo To Eatで仕入れが倍増したのに、挽回するはずのチャンスの12月を、時短要請と会食&忘年会禁止で失い、キャッシュを大きく減らしながら年を越したからです。毎月末に支払いができなければ、お店はジ・エンドです。また、テイクアウトでお金を落とすだけでなく、「応援してるよ!頑張れ!」って声を掛けてあげてください。必要とされている実感があれば頑張れます。今日はありがとうございました!

(高橋さん)
齊藤さん、絶対グルメバーガー食べに行きますね!
私がやっているような地域メディアを今後どんどん広げていくために、今年NPO化する予定です。行政と民間セクターが協力し、地域課題を情報発信して、課題解決につなげていきたいと思います。それと、実は今、冷凍技術を研究していて、デリバリーとテイクアウトで収益が上がらない部分、冷凍食品はストックできるので、ふるさと納税に活かせないかとか、そんなアイディアもあります!

(南雲議員)
今後、このような企画を第2回、3回と開催して、また情報共有ができたらと思います。本日は本当にありがとうございました。

 

【上記以外の支援事例】
・奈良県広陵町/テイクアウト推進HP
・茅ヶ崎市/テイクアウト応援グループ「茅ヶ崎foodaction~茅ヶ崎の美味しいお店
・茅ヶ崎市、中野区/キッチンカーの出店応援(茅ヶ崎市中野区
・目黒区/飲食店応援チケット「Enjoy 目黒!めぐチケ
・奈良県/青年会議所がドライブスルーでお弁当販売

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