元Jリーガー現役地方議員が座談会に初招集!「政治の世界へ蹴り込んだ男たち」(前編)

現役のプロサッカー選手としての寿命は、平均2~3年と極めて短い。一度もピッチに立たず、静かに引退していく選手も多く、長く活躍できる選手はほんの一握りだ。そういう意味で、サッカーはセカンドキャリアへと移るタイミングが早いスポーツなのかもしれない。セカンドキャリアとしては多種多様な道があるが、そのうちJリーグで10年以上活躍した3人が選んだ世界は、「政治」だった。今回、元Jリーガーである現役地方議員3人が、座談会という場に初招集! トークのパスやシュートは決まるのか!? 一流を極めた3人は今、地方議員としてどのような苦難と闘い、その先にどんなゴールを目指しているのだろうか―。

2020/12/7 元Jリーガー現役地方議員座談会(前編)
2020/12/9 元Jリーガー現役地方議員座談会(後編)

座談会参加者
都築龍太氏(さいたま市議会議員)
 自民党/2期目/42歳/プロ14年、浦和レッズなどで活躍
星だいすけ氏(町田市議会議員)
 自民党/1期目/39歳/プロ13年、町田ゼルビアなど6クラブで活躍
高松大樹氏(大分市議会議員)
 無所属/1期目/39歳/プロ17年のうち16年間大分トリニータで活躍
稲葉まさはる氏(埼玉県吉川市議会議員)<コーディネーター>
 無所属/3期目/34歳

【実施日】 2020年10月21日(水)
【会場】 株式会社Public dots & Company(渋谷スクランブルスクエア内)

初の座談会は和やかにキックオフ

初の座談会は和やかにキックオフ。左から、都築議員、星議員、稲葉議員

 

稲葉 今日はお集まりいただき、ありがとうございます! 今回のメンバーの共通点は、「サッカー」と「地方議員」。元Jリーガーの現役地方議員3人が集結するというのは、おそらく初めてのことです! 議員になるまでの経験や、議員になった後の理想と現実、普段どんな活動をされているのかなど伺いながら、今後につながる座談会になればと思っています。今日はよろしくお願いします!

都築 こんなの初めてですよ! 今日はとても楽しみです。

 私は都築さん、高松さんのように日本代表にはなれませんでしたが、えっ、真ん中に座っていいんでしょうか? よろしくお願いします。

高松 僕は大分からオンライン参加で失礼します! よろしくお願いします!

“ミスター・トリニータ”こと高松議員

大分からオンライン参加した“ミスター・トリニータ”こと高松議員(無所属の部屋を1人で使用されているそう)

 

セカンドキャリアとして「地方議員」を選んだ理由

稲葉 まずは、プロサッカー選手から地方議員になられた経緯を教えていただけますか? では大分の高松さんからお願いします!

高松 はい! 僕は17年間のプロサッカー生活のうち、16年間を大分トリニータでプレーさせてもらいました。正直サッカーしかしてこなかったので、引退を考えた時に、スポーツで大分を盛り上げていきたいと思いました。普通は指導者の道や、サッカー関係の仕事に就くと思いますが、僕はJリーガーのセカンドキャリアとして、何か違う道で成功できたらいいなと考えていました。そんな時、大分市議会議員選挙があると周りの方に教えていただきました。都築さんは先に成功されているんですけど、そういう道も新たに作っていきたい、大分のスポーツ振興を図りたい、そして何より、自分を16年間応援してくれた大分の方々に恩返しがしたい!という思いで立候補しました。

稲葉 都築さんの存在は、きっかけとしてあったんですか?

高松 それはもう、サッカーファミリーの都築さんができているんだったら、自分もできると思いましたね(笑)

都築 僕もまったく同じような気持ちで、今から10年前。引退して何かしたいと思っていたけれど、なかなか何かを見つけることができなくて、その時にちょうど統一地方選があったんです。周りの方に薦められて、政治や行政の知識も何もないままの立候補でしたから、1回目は落選しました。その後の4年間は、「もう1回挑戦しよう」という強い気持ちや志を持って、勉強する期間でした。学校のPTAや地域活動にも参加していく中で知った様々な課題を解決するために、市議会議員選挙に再チャレンジし、当選を果たしました。自分の強みはやはりスポーツ。スポーツと関わりの深い、教育や地域貢献も含め、相互にリンクさせながら、さいたま市を良くしていきたいという志を持っています。

 私はプロで13年間プレーさせてもらいましたが、横浜マリノスから始まって、全部で6クラブを渡り歩きました。最後は私が生まれ育った町田の、FC町田ゼルビアで2年間プレーして引退しました。最初は「ユースのコーチをやってほしい」とクラブから言われたのですが、指導者になるというのがピンと来なくて。サッカーばかりやってきて、31歳で引退して、世間が何も分からない状態で、サッカー以外の世界を見てみたい気持ちもありました。その後クラブから「それならフロント(スタッフ)はどうだろう」と言われて、6年間フロントとして、営業やホームタウン活動を担当しました。ホームタウン活動では、PTA・町内会・NPOの方々がボランティアで活動しているのを目の当たりにして、地域への熱い思いに驚かされました。私もこの人たちと一緒に、町田市を良くしていきたい、地域を盛り上げていきたいと思って立候補し、今に至ります。

稲葉 私も幼稚園から高校までサッカーをやりまして、高校は大宮東で、プロ選手も出るような学校でした。でもプロになれなかった。大きな挫折を味わい、自分を見つめ直そうと、24歳の時にハワイ島での農業活動に参加しました。その時に、人が生きていくためには、いろんな人が関わり、支え合っているんだと気づかされたんです。帰国後、東日本大震災があった時で、「僕にはこれから何ができるんだ」と、生まれ育った吉川市でできることを探した時に、「議員になろう」と思い立ちました。その時、25歳。政策を語るよりも、自分の意思を見てもらおう、サッカーで得たことを活かしていこうと思って吉川市議になり、もう3期目になります。3回も選挙で選んでいただいているので、まだまだやれることがあるんじゃないかと思っています。

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