【SDGs最前線】EBPMから見るマイクロプラスチック問題~主催の田添麻友議員に聞く~

前回の記事(【SDGs最前線】EBPMから見るマイクロプラスチック問題)では、勉強会の様子をお届けしました。今回はその勉強会を主催した、目黒区議会議員の田添麻友(たぞえ・まゆ)議員に、勉強会開催に至る背景や、彼女の環境問題に関心を持ったルーツなどお聞きしました。

(PublicLab 編集長 小田理恵子)

 

田添さんは環境問題に強く関心があるとお聞きしています。はじめに今回の勉強会を企画した目的や想いに至る背景をお聞かせいただけますか?

 

はい。大学進学の際、環境問題を「負の経済」という観点から分析して解決に結び付けたいと思っていました。小嶌さんは科学の観点から環境問題に取り組んでいますが、私は環境規制によって企業の技術革新が促進され、経済活動自体が持続可能になることを研究したいと考えています。大学時代は「Think Globally, Act Locally」をモットーに掲げる教授のゼミに所属し、開発途上国のフィールドワークに参加したり、国連の環境サミットに参加したりしていました。

社会人になってしばらくは環境問題から離れていましたが、議員になるぞ!と決意してからは、政策の一つとして「環境問題」に取り組むことを掲げています。

 

学生時代から環境問題に取り組んでおられたのですね。田添さんは政策の柱として、「子育て」「介護」「財政健全化」と共に「環境問題」を掲げていますが、議員になってからの取り組みはいかがですか。

 

環境問題という政策テーマは「自治体にできることは何か?」という点で悩ましい側面もあります。環境問題は、いくら自分が関心を持っていても、目黒区のような基礎自治体(市区町村)に良い効果が目に見えて現れるような分野ではありません。そこで考えたのは、既に自治体が取り組んでいるCO2削減の取り組みを推進することでした。目黒区内のCO2がどのくらい削減されたかを測ることは難しいですが、世界的な潮流から考えても目黒区としても取り組まないという選択肢はありません。

学生時代に国連の環境サミットにも参加されたご経験から導かれるグローバルな視点が、日々の活動の背景にあるのですね。今回のマイクロプラスチックをテーマに勉強会を開催されたのも、そうした観点と感じます。

 

そうですね。今回テーマにしてマイクロプラスチックの問題は、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている一つ、「14.海の豊かさを守ろう」に関連します。この問題は、基礎自治体ではまだ取り組みが弱い分野だと感じていたので、「一般質問で取り上げよう」と決めました。そこで、1から調べるよりも先駆者に聞こう!ということで、今回、マイクロプラスチックの問題に詳しいピリカ代表の小嶌さん達からお話しを聞くに至りました。

 

勉強会形式にしたのは、環境問題が目黒区だけで取り組んでも解決する問題ではなく、多くの自治体、都道府県、国そして個人、企業、あらゆるセクターが取り組まなければ解決しない問題だからです。課題解決のために私が今できることは、仲間の議員にもマイクロプラスチックの問題を知ってもらい、それぞれの自治体で話題にしてもらうこと、取り組んでもらうことだと考えたからです。

 

知ってもらうことって大事ですよね。問題解決は、広く課題を共有することから始まると思います。

そうした意味で、田添さんが仲間や多くの議員さんにこの問題を伝えて、各自治体で取り上げてもらうというやりかたは、スマートな課題解決アプローチだと思います。

勉強会には、関東地方以外に静岡県や三重県からも駆け付けた議員もいたようですね。今回参加された議員の皆さんは、どういった目的で参加されたのでしょうか?

 

印象としては、「よく知らないから知りたい」「取り組まなければいけない問題だと認識しているけれど、実はあまりわかっていないから、この機会に知りたい』というのが最も多い動機だったと感じています。

「マイクロプラスチック問題知ってる? 勉強会、開催するから来て!」と声をかけた方の中には、「海洋プラスチックとマイクロプラスチックって違うの?」という方もいらっしゃいました。それだけまだ十分に認知されていない問題だということです。

一方で、遠方からお越しいただいた方は、既に海洋プラスチック/マイクロプラスチック問題に強い関心をお持ちの方もいらっしゃいました。他には、勉強会のタイトルやキーメッセージに入れた“EBPM”や“SDGs”の言葉に興味を持って来ていただいた方もいます。

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