遠地からもいらっしゃったということは、まだこの問題について学ぶ機会が限られているということなのでしょうね。加えて、これから取り組まねばならないから知りたい、という意欲を持った議員さんが多く参加されたのは明るい材料ですね。

 

はい、とても嬉しく思います。

 

ところで、参加者に女性議員の多さが目立ちました。半数が女性議員だったような。地方議会における女性比率からすると、かなり高いと思うわけなのですが、理由は何でしょう?

 

2つの要因があると思います。1つは単純に私自身が女性議員ということもあり、ありがたいことに多くの女性議員とつながっています。自然と女性議員さんへの声かけが多くなりました。

もう1つは個人的見解ですが、女性は環境問題に共感する素地があるのかもしれないという点です。環境問題から連想される言葉、「次世代」、「MOTTAINAI」など、これらにワードに感度が高いのかもしれないなと思っています。もちろん、男性にも非常に感度の高い方がいて、今回の講師のピリカ代表小嶌さんもそのお一人です。

勉強会の様子

「環境問題は女性の方が共感する素地があるのかもしれない」というのは興味深い仮説です。全国の議会議事録から「環境問題」を取り上げている議員の男女比率を見てみたい気がします。

 

議員の勉強会というと、比較的、参加者の予定を合わせやすい夜の時間帯に開催する印象がありますが、今回の勉強会は平日の午前中に設定されました。これ何か意図があったのでしょうか。

 

私自身、3人の子供を育てる母親でもあります。先ほど申し上げた通り、女性議員の仲間も多く、同じように子育てをしている議員も少なくありません。ご指摘の通り、勉強会は夜に開催されることが多いので、私たちのような議員は、関心のあるテーマでも参加できないことが多くありました。

必然的に夜の開催が難しかったこともありますが、私が企画する側になったので同様に女性議員が参加しやすい時間帯にしたかったというのがあります。

そのおかげもあって、「勉強会に女性視点・母親視点が組み込まれていたのが印象的だった」という感想をいただけたのは嬉しかったですね。

 

ピリカさんからの報告によると、都市部から海洋に排出される浮遊プラスチックで最も多いのが「人工芝の破片」だったことには驚きの声もあったと思います。田添さんご自身はこの話を聞いたとき、どう思いましたか?

海洋/マイクロプラスチックというと、「海に浮かぶペットボトル」や、「クラゲと間違えて亀が食べてしまったビニール袋」などが報道で取り上げられている印象でした。それだけの理解で解決策に迫ろうとすると、ゴミのポイ捨て禁止の周知啓発事業などをしただけでお茶を濁されてしまいます。それはそれで必要なことですが、問題の一部に対応しているに過ぎません。

今回ピリカさんの調査からわかった全体像は、日本国内からマイクロプラスチックが流出していて、目黒区からも流れ出ている可能性が非常に高いということだったわけです。都市部で一番多いのが、ペットボトルやビニール袋ではなく人工芝だということで、私もどのような実態になっているか調査することが重要だと思いました。

今回の勉強会で、問題の全体像を見ないと対策を見誤ることに改めて気づかせていただきました。目に見えることへの対策は進んでも、見えていないことを見える化することで、より効果的な対策を立てられる可能性が見えたことにわくわくしています。

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