実態調査から見えてきたもの
田添さんの勉強会では、環境ベンチャー企業である(株)ピリカの小嶌代表から、同社が国内外の各地で実施したマイクロプラスチックの実態調査について発表がありました。マイクロプラスチックは、流出経路が明らかになっていないため、同社では、マイクロプラスチックの元となるプラスチックがどこから流出しているのか、流出している製品は何か、その用途は何かを絞り込むことを目的として、実態調査を行っているとのことでした。
同社がこれまで調査をした地点は既に100カ所を超え、用途が特定された細かなプラスチック片の中で一番多かったのが『都市部では人工芝の破片』『農村部では農業で使われている肥料カプセル』であることが発表され、参加者からはどよめきが起こりました。一般的にプラスチックゴミの流出といえばレジ袋やストローなど生活用品をイメージしますが、今回の調査で、サイズの小さなプラスチックに関しては異なる事実が判明したということです。
ピリカによると、昨年の調査で回収したプラスチック片らしき固形物のうち実に23%が人工芝の破片が占めていたとのことです。
人工芝は、ゴルフ場・サッカー場・野球場・テニスコートなどのスポーツ施設、公園、個人住宅の庭、商業施設、校庭など屋外のいたるところで使われています。人が踏みしめる場所に敷設されることの多い人工芝は、通行やスポーツ利用などによってちぎれ、その破片が降雨などで流され、河川や海に流出していると考えられます。その総量は人工芝の敷設されているエリアを鑑みるに膨大な量に上ると想像できます。下の写真はある運動場わきに溜まった人工芝の破片です。勉強会では、現地の動画も紹介されましたが、運動場わきの排水溝全体に破片が厚く堆積し、底が見えない状態でした。
一方、農村部では農業用肥料カプセルが大量に見つかるそうです。勉強会では、砂浜が農業用肥料カプセルで埋め尽くされた写真が披露され、議員からは、驚きの声やため息が漏れていました。