会の冒頭挨拶で松田良昭・神奈川県議会議員は「カーボン・オフセット証明書をすぐに事務所に貼って、皆さんに説明しようと考えています。第一回SGDsアワードで(下川町が)表彰された時、すごく嬉しかった。人口は少ないけれど、実際に行ってバイオマスを利用したまちづくりを拝見して、エネルギーを自分で作っていく。森林を最後はエッセンシャルオイルまで、無駄にせず全て使うという思いに感銘を受け、ますます連携強化への気持ちが高まりました」と述べました。
松田県議

松田良昭・神奈川県議会議員

 

次いで、会に参加した戸塚区長と下川町長からも挨拶がありました。
吉泉英紀・戸塚区長は「一昨年秋に下川町を訪問し、先進的な環境への取り組みをいくつも拝見し、町長から町の運営とさらなる発展のお話を伺うことができました。下川町から学び、区民のSDGsの関心を高め、行動につなげていく取り組みを進めて参りたいと考えております。」と語りました。

 

戸塚区長

吉泉英紀・横浜市戸塚区長

 

谷一之・下川町長は「今後またカーボン・オフセットで頂いたものを森林の活用に使用させて頂きますので、温かい目で見守って頂けたらと思います。」と述べ、「大規模な都市である横浜市と農山村の小規模な町である下川町が、このような形で10年来継続して交流ができたことに改めてお礼申し上げます。それぞれの地域におきましては課題もたくさんあろうかと思います。政策や施策によって課題解決をしていく、そういうヒントがお互いの地域にあるのではないかと思っております。」と今後も協力して取り組んでいくことを表明しました。

 

谷一之・北海道下川町長

谷一之・北海道下川町長

 

続いてカーボン・オフセット証明書の授与式が行われ、代表して松田良昭・神奈川県議会議員が証明書を受け取りました。
カーボン・オフセット証明書

カーボン・オフセット証明書

 

その後、戸塚区議員団と下川町議会議員とのオンライン交流会が行われました。
【今回の取り組みを受けて、発起人の鈴木太郎・横浜市議会議員にインタビューを行いました】

Q:オフセット・クレジットを、議員自らが率先して購入された意義は何でしょうか?

戸塚区議員団によるカーボン・オフセットには3つの意義があると考えます。

第一に、議員自らの活動から排出されるCO2を、オフセット・クレジットを購入することで削減することです。政府が2050年までのカーボン・ニュートラルを政策目標に掲げている今こそ、地域に密着した地方議員が率先して脱炭素化に向けた行動を起こすことは重要です。

第二に、戸塚区と下川町の連携です。共に国からSDGs未来都市に選定されていますが、都市部と農村部では違いがあります。ほかでもない下川町のクレジットを購入することは、それぞれの地域の特色を補完し、より実効性の高い友好関係を築いていくことにつながります。

第三の点として、戸塚区議員団が超党派で取り組んでいることです。政党が違う議員間では、主張する政策に違いがありますし、選挙ではお互いしのぎを削っています。しかし脱炭素化のような大きな政策目標には一致団結して挑戦することが重要です。

 

Q:今回の購入を礎とするとのことですが、市民の環境問題に関する認知向上、意識向上は今後どのように行いますか?

今回の交流会では、脱炭素化を含めたSDGsの機運を高め戸塚区議員団と下川町議会が連携を深めていこうという目的で、「SDGs麦梨連盟(むぎなしれんめい)」を設立しました。「麦梨」の名前の由来は、友好協定を締結後に両都市の友情を祝し下川町の小麦と戸塚の梨で作ったクラフトビールにちなんでいます。

今後はこの組織を中心に啓発を行っていきたいと思いますが、そもそも戸塚区選出のすべての県会・市会議員が参加して取り組んでいるので、何よりもそれぞれの議員が個々の活動を通じて環境問題に関する機運醸成をはかることが重要です。

 

Q:クレジットは埋め合わせのためですが、カーボン・オフセットの基本概念として「排出削減」があります。現在の削減の取り組みについても教えてください。

それぞれの議員が独自の取り組みを行っていると思いますが、私は、議会への登庁時には自動車ではなく電車を利用しています。事務所では印刷物の裏紙を活用し、さらに地域の資源集団回収に協力してリサイクルを心掛けています。

 

【取材後記】
鈴木議員からは、脱炭素に向けて地方議員が率先する意義や、社会課題を細分化しことに取り組む必要性について熱く語っていただきました。

国としてもSDGsを掲げ、脱炭素社会、循環型経済社会、分散型社会に向けた取り組みを進めています。大規模都市と農山村とが協力し取引することによって、環境負荷低減ならびに地域の森林資源や産業の保護が期待されており、今回の取り組みは他の自治体にとっても参考になる事例として認知されることでしょう。

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