官民共創に関する自治体意識調査2021(4)現実とのギャップを言語化し「解像度」を高める  

株式会社Public dots & Company
株式会社スカラ
一般社団法人官民共創未来コンソーシアム

 

2021/09/07  官民共創に関する自治体意識調査2021(1)「熱意と推進力の差が生まれる要因」を読み解く
2021/09/09  官民共創に関する自治体意識調査2021(2)「熱意と推進力の差が生まれる要因」を読み解く
2021/09/13  官民共創に関する自治体意識調査2021(3) 現実とのギャップを言語化し「解像度」を高める
2021/09/16  官民共創に関する自治体意識調査2021(4) 現実とのギャップを言語化し「解像度」を高める

DXで加速する共創型官民オープンイノベーション

官民連携/官民共創が進むと思われる領域はどこになるのか、気になるところです。

結論から言いますと、「社会課題とテクノロジーの掛け算」が重要という結果になりました(図1)。

 

図1

 

昨今はやりの言葉を借りれば、社会課題のDXということになります。

「官民連携/官民共創が進むと思われている領域はどこですか」と複数回答可で聞いたところ、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ブロックチェーン(分散型台帳)など各種テクノロジーの活用に最も高い関心が集まりました。

この領域での官民連携/官民共創が進むと答えた人は79人でした。

 

読者も既にお気付きかと思いますが、テクノロジーは何かを実現するための手段でしかありません。

電気を手段として移動する=電車、電気を使って風を送る=エアコン、電気を使って話をする=携帯電話、と同じで、テクノロジーは手段でしかありません。従って、AIやIoT、ブロックチェーンを使って、どんな社会課題に臨むのか、が重要です

アンケート結果で明らかになった関心領域は上から順番に、SDGs(57人)、公共アセットマネジメント(53人)、観光(52人)、地域コミュニティ(51人)、移動/交通(50人)、教育/子育て(45人)、防災/減災(42人)、健康/医療(42人)でした。

 

今後重要なのは、こうした政策領域について、「どういうアウトカムを望むのか」「誰の、どんな困り事を解決できるといいのか」など、サービス利用者(市民)の目線に立って「解像度」を高めていくことです。

この解像度が高く、かつ現実とのギャップを自治体が言語化できれば、そのギャップの解消にテクノロジーを活用でき、まさに官民連携/官民共創でカバーすることになります。

 

テクノロジーを有する企業の中には、自社の製品やサービスをとにかく売りたいという姿勢のところもあるでしょう。

自治体のあるべき姿を言語化し、一緒に伴走しながら、アウトカムを設定していくことが重要です。もちろん、いいアウトカムが出た際には、自治体がむしろ先頭に立って、共創した企業の製品、サービスを他自治体へPRしていくといった協力姿勢は必要です。

そのように、お互いが歩み寄る社会が到来しつつあります。

前回触れた経済産業省のSX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)とはそういう世界観を指しています。

くっきりと自治体間の差が可視化される時代に

今回のアンケート調査/分析では、いくつかクロス集計も試みました。

例えば、「官民連携/官民共創の専門部署を有する自治体のうち、官民共創に熱心に取り組んでいる自治体」の割合(図2)や、

 

図2

 

「専門部署をもたない自治体のうち、官民共創に熱心に取り組んでいる自治体」の割合(図3)

 

図3

 

「専門部署をもち、かつ官民連携/官民共創に熱心に取り組んでいる自治体のうち、解決策が見えていないと回答した人」の割合(図4)など、さまざまな分析をしましたが、紙幅の関係でそのすべてをご紹介できません。

本稿の最下部URLを載せてありますので、興味のある方はそちらから今回のアンケート結果と分析レポートをダウンロードしてください。

 

「公共を再定義する」をミッションに、これからの官民共創をトランスフォーメーション(変革)していくのが、私たちPublic dots & Companyです。今年4月には、株式会社スカラと「逆プロポ」という新しい仕組みを開発しました。

感度の高い自治体からは既にさまざまなお問い合わせを頂いていますが、今後、オンラインセミナーなどを通じて、より情報を発信していきたいと思っています。

 

自治体がこれまで担ってきた公共は非常に尊いものです。一方で、唯一といってもいいかもしれない、社会の変化から取り残された岩盤領域でもあります。

目線を外に向ければ、皆さんの仕事が劇的に変わる、何よりその先にいる市民の暮らしを大きく変えられる可能性が広がっています。

今後、官民共創に関連した各種調査を重ねていきたいと考えています。関心のあるテーマなどがあれば、ぜひご意見をお寄せください。

 

一緒に、日本の社会をアップデートしていきましょう。

 

『官民共創に関する自治体意識調査 2021』のダウンロードはこちらから▼
https://gyaku-propo.com/download

(おわり)

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