先日「オンライン視察」という新しい取り組みにもチャレンジされていましたよね?

 

はい、すごく面白かったです。あのオンライン視察セミナーは、ローカル・マニフェスト推進連盟の主催で実施しました。東京都昭島市に「アキシマエンシス」という、小学校跡地を活用した多機能の教育福祉総合センターが今年6月にオープンしたので、早速視察を企画したいと思っていたのですが、コロナ禍なのでオンライン視察という形のセミナーで実現させました。アキシマエンシスは、小学校の校庭に新たに図書館を建設し、旧校舎には教育・福祉関係のセンターを集約した、新しい形の総合施設です。今回のオンライン視察では、図書館をクローズアップして、図書館の中を僕が昭島市の課長さんにインタビューしながら館内を案内してもらい、それをライブ配信しました。テレビの現場レポーターみたいで面白かったです。セミナー前半がそのライブツアー、後半にはパネルディスカッションを行いました。地方議員って、他の自治体に視察に行くことが多いんですが、現場に行かなくてもいい「オンライン視察」は画期的だと思いました。全国、いや世界中の人が参加できるのですから。

 

白井さんからは、これでもかっていう行動力と発信力を感じますね。今まで白井さんのこと、“白井キャスター”とお呼びしていましたが、アスリートだとわかったので、これからは“白井選手”ってお呼びしましょうかね(笑) ちなみに、そのパワーの源はどこにあるのでしょうか?

 

真面目な話なんですけど、やっぱり政治ってすごい大事なんですよね。それを分かっていただけないもどかしさがあります。僕は地道に活動していますし、同じように真面目に活動している地方議員がたくさんいますが、なかなか評価を受けられない。僕自身もまだまだ不勉強なことばかりですから、もっと頑張らないといけないんですけど、議会として正しいことをしていますか?市民もちゃんと議員を選んでいますか?と問いたいです。頑張っている人が正当な評価を得られない現状を変えたいっていう思いがあります。

議会で発言する白井議員

 

僕は普通に民間企業でバリバリお金を稼いで、早々に引退したいと思っていた人間だったので、2011年まで政治に対しては“無関心市民・無関心国民”でした。でも、自分なりに反省することがあって。自分の住む町で取り返しのつかないことがあると、結局、その不利益を被るのは、今住んでいる人たち、子どもたち、将来の若い世代です。例えば少子化問題一つ挙げても、1980年代からずっと叫ばれていたのに、その時に抜本的なことを何もやらなかった。それで今何が起こっているかと言えば、「子どもたちが大人になるころには、一人の現役世代が、一人の高齢者を支えないといけません」みたいな話が出てくるわけです。「ふざけんな」と思うわけですよね。そういうことにならないためには、政治を担う議員もしっかりやらないといけないし、選ぶ市民・意見を言う市民も、そのリテラシーを持たないといけない。僕はようやく30代半ばになってそのことにハッと気づいて、政治の世界に入りました。実際に議員になってみると、もちろん誠実に頑張っている議員もいれば、日常から当選ラインの票数を獲ることだけを考えている議員もいる。それが許せないんですよね。「あの時にもっとこうすれば」ということに色々気づいてしまって、そこが許せないといいますか、たぶんそれが“パワーの源”になっているのだと思います。

 

普段の物腰からすると、想像つかないぐらいストイックで、結構怒っていたんですね!

 

結構怒っていますよ。議会では、僕は怒り役みたいになっています。血圧も体温も低いんですけど、「沸点も低いね」って言われます(笑) 色々ストレスとも闘いながら、自分とも闘いながら、なんとか日々頑張っています。

 

【インタビュアーによる編集後記】

白井議員とは一緒に全国の地方議員向け勉強会を開催しております。そこで彼に勉強会のファシリテータをやってもらうことがあるのですが、そのファシリがあまりに上手くて、いつの間にか参加者から「白井キャスター」と呼ばれて親しまれるようになったんです。

勉強会は毎週開催しておりまして、その企画運営には相当の労力をかけてもらっています。さらにマニフェスト大賞の実行委員長も担っていて、これだけでも大変なはずなのに、議会活動に加え、地方議員を知ってもらうための広報活動や議会改革にも精力的に関わっておられ、そのストイックさは、まさにアスリート。

票にならない活動に注力する議員は多くはありません。マニフェスト大賞の実行委員長も、地方議員勉強会も、票になる活動ではありません。

なぜ白井議員はここまでやるのか・・・それを知りたくて今回お話を聞いたわけですが、普段の飄々とした様からは想像もつかないほどに従来の政治への「怒り」を抱いていたことがわかりました。

時に理知的に、時にパワフルに、時に頑強に、想いをエンジンにまい進する白井議員、こんな地方議員も居るのだと、多くの人に知ってもらいたいです。


 

【プロフィール】

小金井市議会議員

白井 亨(しらい・とおる)

1975年生まれ、大阪府枚方市出身。関西大学社会学部卒。
コミュニケーション・プランニングや商品開発・企画・マーケティングを生業とする(1999年〜2012年/2016年会社員)。

2013年3月、政党に属さずどの組織・団体からも支援を受けず、素人市民のみでチームを作り、市議会議員選挙に臨み当選。2013年、2015年には、マニフェスト大賞 優秀ネット選挙・コミュニケーション戦略賞を受賞。2015年12月の小金井市長選挙に完全無所属で出馬するも、2,408票差で惜敗。2017年3月市議選でトップ当選、再び市政の最前線で走り続けている(現在2期目)。2020年よりマニフェスト大賞実行委員長。

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